16年の時を刻み、劇場版として蘇る

1876年、米国の音楽家ヘンリー・クレイ・ワーク(Henry Clay Work)によって作曲、大ヒットした「Grandfather's Clock」(大きな古時計)誕生の逸話に基づき、世界で初めて映画化。

ヘンリー・クレイ・ワーク(Henry Clay Work, 1832年10月1日 - 1884年6月8日)は、アメリカ合衆国の作曲家。スティーヴン・フォスターと並んで19世紀のアメリカ合衆国を代表する歌曲作曲家。コネチカット州ミドルタウンに生まれる。奴隷制廃止運動の活動家の家庭に生まれ育ち、自らも地下鉄道 (秘密結社)の組織活動に助力を惜しまなかったとされる。そのかたわらで、「クリスティー・ミンストレルズ」のために、フォスターの流れを汲む世俗歌曲を創作した。フォスター歌曲と同じく、ワークの「ジョージア行進曲」は、チャールズ・アイヴズの交響楽の中で引用されている。また、いくつかの歌曲は、世界各地で民謡として流布されている。全部で80曲近くある内、よく知られている「大きな古時計」は、続編も作られた。1970年、米国ソングライターの殿堂入りを果たした。

2006年、ネットシネマ(日本初の動画配信サービス)の実写シネマ企画として提案した、名曲「大きな古時計」誕生の逸話が採用され、藤岡美暢(藤ダリオ)の脚本によって、世界初の実写ドラマ化となりました。当時、シンガーソングライターの平井堅さんによるカバー曲がミリオンヒットを記録。
物語は、両親を亡くした兄弟が営む海辺の小さなホテル、そこに突然訪れた一人の女性、この三人が織り成すピュアなラブストーリー、青い海と空~海辺の小さなホテルであった事から沖縄ロケーションを慣行しました。
そして、16年を経て劇場版として蘇らせる為に、新たに追加撮影を敢行、細部に拘った再編集、合成やCGを要所に施しました。更に、実力あるミュージシャン達が参加、主題歌「大きな古時計」(英語詩)は、ジョンテとエリアンナによる初デュエットでカバー。劇中には、イメージソングを川島ケイジがオリジナル曲「序曲」を提供、劇中歌を観月.がオリジナル曲「月になる」を提供、そして、谷口尚久が本作の為に書き上げた、エンディングテーマ「RIGHT NOW」を川畑要(CHEMISTRY)が熱唱するなど、正に音楽映画にふさわしい作品として完成しました。

不朽の名曲「大きな古時計」誕生の逸話とは?


1874年、アメリカの音楽家ヘンリー・クレイ・ワーク(Henry Clay Work)は、劇場公演に加わるためイギリスに渡っていました。その際に泊まった、ダーラム州ピアスブリッジ(Piercebridge in County Durham)の川沿いにある小さなホテル「ジョージ・ホテル(George Hotel)」のロビーに置かれていたロングケース・クロック(long-case clock)に目が留まりました、何故なら、動いていない古びた時計が、玄関ロビーに目立つ様に置かれていたからです。針の止まった古時計に興味を持ったワークが尋ねると、ホテルの主人はとあるエピソードを静かに語り始めたのでした・・・

ジョージ・ホテルのロビーに置かれた大きな古時計

ヘンリー・ワークが訪れる数年前まで、ジョージ・ホテルはジェンキンスという兄弟が所有するホテルでした。彼らは生涯独身でしたが、地元の人々からの信頼も厚く、人付き合いの良い兄弟でした。ロビーには、2mを超える大きなの時計が置かれてありました。それは、ジェンキンスの兄が生まれた日に購入されたロングケース・クロック(long-case clock)で、ジョージホテルの顔となっていました。この大きな時計の正確さには定評があり、宿泊客が馬車の出発の時刻を知るのにとても役に立っていました。時間が遅れる事はなく、一年中正確な時を刻み続けていました。

ジェンキンス兄弟が亡くなり、遅れ始める大きな時計

ある日、ジェンキンスの弟が病に倒れ、そのまま亡くなってしまいます。すると、今まで正確に動いていた大きな時計の時間が急に遅れ始めました。最初はほんの数分程度の遅れが、弟の葬儀が済む頃になると、修理士が注意して管理していたのにもかかわらず、大きな時計は徐々に遅れの度合いを増し始め、ついには一日に15分も遅れるようになってしまいました。そして、弟の死から1年以上経過したある日、後を追うように今度は兄が亡くなってしまいます。彼の死を聞きつけて、ホテルのロビーに集まった友人たちは、大きな時計を見て騒然としました。というのも、時計の針は「11:05」、すなわち彼の死の時刻を指し、動いていた筈の振り子も止まってしまっていたからです。

一夜にして書き上げられた “Grandfather's Clock”(大きな古時計)


ジョージ・ホテルのオーナーから聞いた大きな時計のエピソードは、ヘンリー・ワークに強いインスピレーションを与えました。創作意欲に掻き立てられたワークは、その夜一晩中寝ずにこの逸話にまつわる歌「Grandfather's Clock」(大きな古時計)を書き上げました。ワークがこの歌を早速アメリカに持ち帰り発表したところ、たちまち多くの人々の賞賛を得てミリオンセラーになりました。この歌がヒットする前は、大きな時計は “Coffin Clock”(棺おけ時計)とか “Long case Clock”(ロングケース・クロック)などと呼ばれていました。「Grandfather's Clock」がヒットして以来、大きな時計はその歌のタイトルから “Grandfather's Clock”(おじいさんの時計)と呼ばれるようになりました。