監督・編集 小林宏治

コメント: 撮影からは随分時間が経ったけれど、当時の風景や感じたことは昨日の事のように思い出すことが出来ます。それほど印象的な撮影でした。「用意スタート」から芝居が始まるのではなく、いつの間にか芝居が始まっているような、そんな自然な雰囲気のシーンが積み重ねられたらいいなぁと思っていました。俳優たちのおかげで実際そのようなアプローチが出来たような感じがしています。それはまるで物語の風景と現実の風景がシンクロしているような撮影で、撮影地の沖縄の<沖縄時間>がファンタジーのような雰囲気にさせてくれたのかも知れません。多くの撮影には常に困難なことが付き纏い、この撮影も例外ではなかったことも確かです。でもそれを忘れさせてくれるような何かがあったのかも知れません。
この「グランドファーザーズクロック」には作品のテーマでもある「時」を感じさせるエピソードが沢山あります。もともと10年ほど前に一度完成していた作品ですが、時間を経て今回新たに再編集を施こすことが出来たこともその一つです。もちろん当時もベストを尽くしたつもりでしたが、どうしても気になるシーンがあり常に気になっていました。幸運にも今回新たな編集を施すチャンスを貰うことが出来ました。ストーリー自体は変わっていないものの、表現的にはもっと深く、全く新しい映画に出来たと思っています。前回の作品では入れることが出来なかった主題歌をJONTEとELIANAのお二人が唄ってくれました。美しいハーモニーで、おそらく「大きな古時計」の数ある歌唱の中で男女のデュエットは初めてではないかと思うのですが、映画の内容にもあっていると感じます。主題歌が新たな息吹を与えてくれて、まるで物語を別の視点から表現してくれているようです。伊東正美さんと太田佐和子さんのオリジナルスコアと共に、作品に流れる音楽は映画になくてはならないものになっています。過去の思い出がいつも美しい風景とともに思い出されるような素敵なものであってほしいと願っています。「時」をめぐる物語「グランドファーザーズクロック」を見ている時間がその人にとっての一時(ひととき)の美しい時間であればと思います。是非ご覧ください。そして応援をよろしくお願いします。(2017年8月20日)

Profile: 1966年生まれ。東京都出身。映画の助監督を経て、1998(平成10)年以降、監督として活動。PV、インフォナーシャル、TVドラマなど多数。ドラマ(物語)だけに関わらず、音楽と映像、演劇と映像のコラボレーションなど、いろいろなジャンルにチャレンジしている。今村昌平(´97 カンヌ映画祭パルムドール受賞『うなぎ』に参加)、山田洋次(『武士の一分』『母べえ』『おとうと』)、森田芳光(『おいしい結婚』『未来の思い出』)など、日本を代表する映画監督と仕事をする一方、ジャッキー・チェン(主演作品『デット・ヒート』に参加)、ジル・ラビエ&ニルス・タヴェルニエ(´94 フランス映画祭出品作品『あきらめ』に参加)、ピーター・グリーナウェイ(´97 カンヌ映画祭出品作品『ピーター・グリーナウェイの枕草子』 ´99 カンヌ映画祭コンペ部門出品作品『8 1/2の女たち』に参加)といった海外の映画作家の作品にも積極的に参加する。


企画・プロデュース 倉谷宣緒 (日本映画監督協会会員)

コメント: 名曲「大きな古時計」から誕生した、この作品を名作映画として後世に遺したかった――。
2006年、ネットシネマの企画として提案した名曲「大きな古時計」の誕生秘話が採用され、藤岡美暢さんの脚本によって映像化。世界初の実写ドラマ化だったと思う(当時、既にシンガーソングライターの平井堅さんによるカバー曲がミリオンヒットを記録)脚本は、仲の良い兄弟が独りの女性をめぐる、ピュアなラブストーリーであったことから、イメージしたのは、青い海と空~海辺の小さなホテル~沖縄ロケーションだった。幸い沖縄県北部にちょうど良いペンション(サンルイス)を見つけ撮影をお願いしたところ、オーナーも全面協力してくれる事となった。おかげで早くから滞在する事ができ、撮影準備もスムーズに行われた。更に、数十年後のホテルを那覇市内にあった老舗ホテル(沖縄第一ホテル)も協力を快く協力してくれて素晴らしいロケーションとなった。既に両ホテルともリニュアールされてしまったが、両オーナーにもご出演いただくなど、思い出深い作品となった。あれから15年の時を経て、名作映画として後世に遺すべく劇場版として甦らせた。具体的には、HDデジタルリマスター、細部に拘った再編集、合成やCGを要所に施し、主題歌を敢えて英語詩でオープニングとエンディングで聴かせ、主人公の切ないシーンを川島ケイジさんがオリジナル曲を提供してくださり、イメージソングとした。これらの無茶振りを小林宏治監督は快く引き受けてくれて、自ら編集作業も担当、3年以上をかけて二人が納得の行く仕上がりに完成できた。再映画化にあたり、製作の大和田廣樹さん、エグゼクティブプロデュサーの渡邉健太郎さんと渡部裕子さん。主題歌をデュエットで唄ってくれた、ジョンテとエリアンナ。イメージソング(劇中歌)「序曲」を提供、唄ってくれた川島ケイジさん。劇中歌「月になる」を提供、唄ってくれた観月.さん。更に、この作品の為に谷口尚久さんがエンディングテーマ「Right Now」を書き上げ、川畑要さんが唄ってくれた。名曲映画に相応しい映画音楽になった事、最後に係わって抱いた全ての皆様に感謝申し上げます。

Profile: 1958年生まれ。広島県出身。東宝映画『帝都大戦』(一瀬重隆監督)の制作参加をきっかけに映画プロデューサーを志す。1995年、初の企画・製作映画『スキヤキ』(すずきじゅんいち監督)が、ロンドン国際映画祭、ニューヨークインディペンデント映画祭、福岡アジア国際映画祭の招待作品となる。2004年、香港合作映画『最後の晩餐』(加藤雅也主演)をプロデュース、スコットランド国際ホラー映画祭で準グランプリ受賞等、世界12ヶ国の映画祭で正式招待作品となる。以降も2008年、『真木栗ノ穴』(西島秀俊主演)を企画・プロデュース、第20回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」公式出品。同年『ボディ・ジャック』(高橋和也主演)を初監督。2014年、東日本大震災を題材にした『あいときぼうのまち』をプロデュース、話題となる。2015年、「古事記」や「平家物語」にも登場する日本最古の怪獣「鵺(ぬえ)」を造形化させた特撮映画『THE HYBRID 鵺の仔』を企画・プロデュース・共同監督を務める。2016年、短編映画『海ガメの約束』を監督、第3回いばらきショートフィルム大賞を受賞する。



脚本 藤岡美暢

主なシナリオ作品
映画『貞子3D』『富江』シリーズ 『ボディ・ジャック』など
TV『池波正太郎時代劇 光と影』『くノ一忍法 蛍火』『赤川次郎の毒』
アニメ『殺戮の天使』『京極夏彦 巷説百物語』『魍魎の匣』『黒塚』など
ゲーム『√ルートレター』(ハリウッドで映画化)



製作 大和田廣樹

エグゼクティブ プロデューサー 渡邉健太郎・渡部裕子

プロデューサー 川上泰弘・萩尾友樹・杉野紘太郎・小田泰之

撮影 瀬長信治

照明 鳴海 晃

録音 上原理人

助監督 水元泰嗣

 伊東正美・太田佐和子

主題歌「Grandfather's Clock(大きな古時計)」
唱 ジョンテ&エリアンナ
詞・曲 Work Henry Clay
編曲 谷口尚久

イメージソング(劇中歌)「序曲」
詩・曲・唱 川島ケイジ
編曲 谷口尚久

劇中歌「月になる」
詩・曲・唄 観月.
編曲 谷口尚久

製作プロダクション べんてんムービー