製作
大和田廣樹

2003年末に動画配信というものが世界でもない時代にホリエモンこと堀江貴文さんが、私のところに来て、一緒に新しい事業をやらないかという話からネットシネマという事業は始まりました。2004年からネットシネマ事業は始動し、毎年30本以上の作品を制作し、配信しました。そして2006年ネットシネマ「大きな古時計」が完成しました。
それから、16年の月日が過ぎて、倉谷さんから映画化したいというオファーが来て、お会いし、凄い熱意だなと感心したことを覚えています。そして、多くの方の想いが結実し、ついに劇場公開にこぎつけたことは本当に素晴らしいことです。スクリーンでこの作品を上映し皆様にお届けするのが楽しみです。

Profile: 1963年生まれ。上述のネットシネマをきっかけに多くの映画をプロデュースする。2006年、山本草介監督「もんしぇん」で初めて映画をプロデュース、2007年、棚木和人監督「寄子」で第5回モナコ国際映画祭2賞受賞、同じ年に山下敦弘監督「松ヶ根乱射事件」で第19回東京国際映画祭コンペティション部門ノミネート、2008年には橋口亮輔監督「ぐるりのこと。」で第32回日本アカデミー最優秀主演女優賞など多数受賞。2009年林海象監督「THE CODE/暗号」で第21回東京国際映画祭日本映画ある視点部門ノミネート。2014年には萩生田宏冶監督「南風」で日台合作映画をプロデュースし、台湾観光貢献賞をいただく。2016年、真利子哲也監督「ディストラクション・ベイビーズ」で第69回ロカルノ映画祭新進監督賞、第38回ナント3大陸映画祭準グランプリなど多数受賞。2019年、林海象監督「BOLT」で第22回上海国際映画祭パノラマ部門正式招待作品。他に日台合作ドラマ「木蘭花」など、2023年はハリウッドとの映画制作も控えている。


製作
丸茂日穂

「あの有名な歌、世界中で歌われ続けている歌」の映像化と聞かされた時に、これは面白い企画だと知らず知らずに映画制作に口を挟んでいました。大人から子供まで皆が楽しんで観られる映画になればという想いでおりましたが、漸くそんな映画が実現出来ました。歌は良く知っているけれど、映画ってあるの?という皆様、世界で初めての映画化です。是非劇中の歌も楽しみながら「大きな古時計」を堪能してください。

Profile: 1956年生まれ。慶應義塾大学工学部電気工学科卒業。日本電気㈱を経て㈱ギャガ・コミュニメーションズ入社。2004年、㈱ギャガ・コミュニケーションズ(現ギャガ㈱)代表取締役社長を歴任後、制作会社ユーズフィルムの代表取締役社長を歴任。'10 年「ふたたび -Swing me again-」、'09年「ちゃんと伝 える」、'09年「山形スクリーム」、'04年「恋人はスナイパー」、'03年「ロッカーズ ROCKERS」など 多数の映画作品や韓国ドラマの制作・エグゼクティブプロデューサーとして活躍。現在は、日本各処で行われている映画祭での上映作品の配信を実施し、若手の映画監督の作品を簡単に視聴できる環境を実現すると共に、映画業界の更なる活性化を図る支援活動を実施。


企画・プロデュース・総監修
倉谷宣緒(日本映画監督協会会員)

名曲「大きな古時計」から誕生した、名作映画として後世に伝えたかった。2006年、ネットシネマの企画として提案した名曲「大きな古時計」の誕生の逸話が採用され、藤岡美暢さんの脚本によって、世界初の実写化になった(当時、シンガーソングライターの平井堅さんによるカバー曲がミリオンヒットを記録)物語は、仲の良い兄弟が独りの女性をめぐる、ピュアなラブストーリーで、イメージしたのは、青い海と空~海辺の小さなホテル~沖縄ロケーションだった。幸い沖縄県北部にちょうど良いペンション(サンルイス)を捜し当て、全面協力を得る事ができた。おかげでスタッフや出演者たちが早くから滞在する事ができ、撮影準備もスムーズに行われた。数十年後のホテルを那覇市内にあった老舗ホテル(沖縄第一ホテル)も快く協力してくださり素晴らしいロケーションとなった。既に両ホテルともリニューアルされたが、当時の両オーナーにもご出演頂くなど、思い出深い作品となった。16年の時を経て、劇場版として甦らせる為にデジタルリマスター、細部に拘った再編集、合成やCGを要所に施し、新たに主題歌など、七人のミュージシャンが参加。これらの無茶振りを小林宏治監督は快く引き受けてくれて、自ら編集作業も担当、3年以上をかけて納得の行く仕上がりに完成できた。再映画化にあたり、製作の大和田廣樹さん、エグゼクティブプロデュサーの渡邉健太郎さん。主題歌(英語詩)をデュエットで唄ってくれた、ジョンテとエリアンナ。イメージソング「序曲」を提供、唄ってくれた川島ケイジさん。劇中歌「月になる」を提供、唄ってくれた観月.さん。主題歌「大きな古時計」をカバー、唄ってくれた久保田洋司(The東南西北)さん、この作品の為に谷口尚久さんがエンディングテーマ「RIGHT NOW」を書き上げ、川畑要(CHEMISTRY)さんが熱唱。名曲映画に相応しい「音楽映画」になった事、最後に係わって抱いた全ての皆様に感謝申し上げます。

Profile: 1958年生まれ。広島県出身。東宝映画『帝都大戦』(一瀬重隆監督)の制作参加をきっかけに映画プロデューサーを志す。1995年、初の企画・製作映画『スキヤキ』(すずきじゅんいち監督)が、ロンドン国際映画祭、ニューヨークインディペンデント映画祭、福岡アジア国際映画祭の招待作品となる。2004年、香港合作映画『最後の晩餐』(加藤雅也主演)をプロデュース、スコットランド国際ホラー映画祭で準グランプリ受賞等、世界12ヶ国の映画祭で正式招待作品となる。以降も2008年、『真木栗ノ穴』(西島秀俊主演)を企画・プロデュース、第20回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」公式出品。同年『ボディ・ジャック』(高橋和也主演)を初監督。2014年、東日本大震災を題材にした『あいときぼうのまち』をプロデュース、話題となる。2015年、「古事記」や「平家物語」にも登場する日本最古の怪獣「鵺(ぬえ)」を造形化させた特撮映画『THE HYBRID 鵺の仔』を企画・プロデュース・共同監督を務める。2016年、短編映画『海ガメの約束』を監督、第3回いばらきショートフィルム大賞を受賞する。


脚本
藤岡美暢
この作品ができるまでの経緯はプロデューサーの倉谷さんが書いているので、省きます。脚本家になってから原作のある仕事が増えて、もっと自由に書きたいという不満がありました。この映画(もとはネット配信ドラマ)は、名曲『大きな古時計』の誕生を原案にしていますが、わりと自由に書かせてもらい、監督やプロデューサーには感謝しています。低予算ということで苦労した点もありますが、楽しい仕事でした。そして、できた映像を見て若い俳優のみずみずしい演技にとても満足しました。最近の映画はCGを多用して、高額な制作費の作品が増えています。この映画はまったく逆で、スタッフと俳優のチームワークで手作りしたような映画です。映画好きな人が集まった作った温かな映画です。映画の原点のような作品を、ひとりでも多くの人に観てもらいたいです。

Profile: 主なシナリオ作品 映画『貞子3D』『富江』シリーズ 『ボディ・ジャック』など TV「池波正太郎時代劇 光と影」「くノ一忍法 蛍火」「赤川次郎の毒」 アニメ「殺戮の天使」「京極夏彦 巷説百物語」「魍魎の匣」「黒塚」など ゲーム「√ルートレター」(ハリウッドで映画化)


監督・脚本・編集
小林宏治(日本映画監督協会会員)

撮影からは随分時間が経ったけれど、当時の風景や感じたことは昨日の事のように思い出すことが出来ます。それほど印象的な撮影でした。「用意スタート」から芝居が始まるのではなく、いつの間にか芝居が始まっているような、そんな自然な雰囲気のシーンが積み重ねられたらいいなぁと思っていました。俳優たちのおかげで実際そのようなアプローチが出来たような感じがしています。それはまるで物語の風景と現実の風景がシンクロしているような撮影で、撮影地の沖縄の<沖縄時間>がファンタジーのような雰囲気にさせてくれたのかも知れません。多くの撮影には常に困難なことが付き纏い、この撮影も例外ではなかったことも確かです。でもそれを忘れさせてくれるような何かがあったのかも知れません。この「グランドファーザーズクロック」には作品のテーマでもある「時」を感じさせるエピソードが沢山あります。もともと10年ほど前に一度完成していた作品ですが、時間を経て今回新たに再編集を施こすことが出来たこともその一つです。もちろん当時もベストを尽くしたつもりでしたが、どうしても気になるシーンがあり常に気になっていました。幸運にも今回新たな編集を施すチャンスを貰うことが出来ました。ストーリー自体は変わっていないものの、表現的にはもっと深く、全く新しい映画に出来たと思っています。前回の作品では入れることが出来なかった主題歌をJONTEとELIANAのお二人が唄ってくれました。美しいハーモニーで、おそらく「大きな古時計」の数ある歌唱の中で男女のデュエットは初めてではないかと思うのですが、映画の内容にもあっていると感じます。主題歌が新たな息吹を与えてくれて、まるで物語を別の視点から表現してくれているようです。伊東正美さんと太田佐和子さんのオリジナルスコアと共に、作品に流れる音楽は映画になくてはならないものになっています。過去の思い出がいつも美しい風景とともに思い出されるような素敵なものであってほしいと願っています。「時」をめぐる物語「グランドファーザーズクロック」を見ている時間がその人にとっての一時(ひととき)の美しい時間であればと思います。是非ご覧ください。そして応援をよろしくお願いします。(2017年8月20日)

Profile: 1966年生まれ。東京都出身。映画の助監督を経て、1998(平成10)年以降、監督として活動。PV、インフォナーシャル、TVドラマなど多数。ドラマ(物語)だけに関わらず、音楽と映像、演劇と映像のコラボレーションなど、いろいろなジャンルにチャレンジしている。今村昌平(´97 カンヌ映画祭パルムドール受賞『うなぎ』に参加)、山田洋次(『武士の一分』『母べえ』『おとうと』)、森田芳光(『おいしい結婚』『未来の思い出』)など、日本を代表する映画監督と仕事をする一方、ジャッキー・チェン(主演作品『デット・ヒート』に参加)、ジル・ラビエ&ニルス・タヴェルニエ(´94 フランス映画祭出品作品『あきらめ』に参加)、ピーター・グリーナウェイ(´97 カンヌ映画祭出品作品『ピーター・グリーナウェイの枕草子』 ´99 カンヌ映画祭コンペ部門出品作品『8 1/2の女たち』に参加)といった海外の映画作家の作品にも積極的に参加する。


 

エグゼクティブ プロデューサー 渡邉健太郎・渡部裕子

プロデューサー 川上泰弘・萩尾友樹・杉野紘太郎・小田泰之

撮影 瀬長信治

照明 鳴海 晃

録音 上原理人

助監督 水元泰嗣

 伊東正美・太田佐和子

♪オープニングテーマ
「Grandfather's Clock」(大きな古時計)
唱 ジョンテ&エリアンナ
詞・曲 Work Henry Clay
編曲 谷口尚久

♪劇中歌「月になる」
詩・曲・唱 観月.
編曲 谷口尚久

♪イメージソング「序曲」
詩・曲・唱 川島ケイジ
編曲 谷口尚久

♪主題歌「大きな古時計」
唱 久保田洋司(The東南西北)
詩・曲 Work Henry Clay
訳詞 保富康午
編曲 谷口尚久

♪エンディングテーマ「RIGHT NOW」
唱・曲 川畑要(CAMISTRY)
詞・曲・編曲 谷口尚久

製作プロダクション べんてんムービー