●応援コメントありがとうございます!〔51名様〕

立川談慶(落語家)
あなただけの「古時計」
映画は、大きな古時計と同じ時を刻んだ背景を持つ老人の語りと共に進んでゆく。叫びたくなるような沖縄の青空の「動」と止まった時計という「静」のコントラストがきらびやかに映し出されたスクリーンを見つめながら、時折ふと我に返ると、「あなたの古時計は一体誰なのか」と常に優しく問われているような気がした。そう。この映画は「問い」だったのだ。人間誰もが「大きな古時計」を抱いている。それぞれの古時計は現役で時を刻むものもあれば、止まってしまっているものもあるだろう。そして誰もがそんなかけがえのない「古時計」を持つもの同士というシンパシーさえあれば、もっとこの世の中は優しくなれるのになあとしみじみ思った。
「道具屋」という落語の中で与太郎が「壊れた時計でも一日に2度は合う」という名言を吐いている。そう、この世に役に立たないものなんてないのだ。
9年前にこの世を去った亡父のことを、思い出させてもらった。久しぶりに墓参りに行こう。「親父、ありがとう。俺は元気だよ」。

高沖泰大(作志家・ライター)
映画全体に溢れる瑞々しさと清々しさに包まれ、
古典の名作を観たような、すっと胸が透き通る感動がありました。
鮮やかであり懐かしくもあり、いつまでも色褪せない普遍的な魅力のある映画に出会えたことに感謝してやみません。
折に触れて何度も観たくなる、大切な思い出のような作品です。

杉山琢哉(スケートボーダー)
冒頭からの沖縄の海と空の景色の美しさ、透明感のある映像にぐっと引き込まれました。
若かりし頃の甘くて淡く繊細に揺れ動く心模様。
人それぞれの幸せの価値観がゆっくりと丁寧に描かれていて、心地の良い懐かしさを感じます。
淡々とした流れから話が進むにつれ時を超えて伝わる人の想いと後半のくだりは嬉しくもあり驚きもあり、見終わった後も心温まる、多くの方にも見てもらいたい映画でした。

マーティン・テショメ/Rezeki Muzik(ミュージシャン)
以前に小林宏治監督と作曲家として協力したことがありますが、私が関わった短編映画とは違う雰囲気の映画を見れてとても楽しかったです。
話が進みストーリーが複雑になっても分かりやすく、キャラクターの深みを感じることができる作品でした。
主人公を演じる俳優の松田悟志さん、松本まりかさんと藤沢大悟さんの皆さんが優れていました。
特に海岸のシーンが綺麗に撮られて、美しい沖縄の風景があり、よい映画でした。

野澤しおり(女優・子役)
私がまだ幼稚園に通っていた頃から知っている曲、「大きな古時計」。
「チクタク、チクタク」というところが面白くて、その部分をよく歌っていたのを覚えています。
あれから7年経って、この映画を観たあとにもう一度歌詞を読み、曲を聴いてみると、不思議とあの時とは全然ちがう感覚になりました。
私は3歳からピアノを習っていますが、ピアノの教本の中にも「大きな古時計」の曲は必ずといっていいほど入っていて、私も練習したことがあります。
小さい子から大人の方まで誰もが知っている、この有名な「大きな古時計」という曲の誕生のきっかけをこの映画で知り「そうだったのか…」とおどろきました。
そして、一つ一つの曲にはたくさんの思いや物語があることをこの映画で教えてもらった気がします…。

大村恵子(アナウンサー・MC)
偶然の出会いも実は必然なのかもしれない。
たくさんの人やモノが溢れる世界で、今、出逢えている人、モノとの出逢いは奇跡なのではないか。
この映画は、日々何気なく繋がっているご縁や、大切な人を思う気持ちを、あらためて感じさせてくれました。
「時間は戻らないその潔さが好き」と言う台詞が特に印象的で、前向きな生き方をしようと思える作品です。
今回、この作品に出逢えたことにも感謝です。

富永久美子(ボイストレーナー・朗読家)
誰もが知る名曲にこんな秘められた物語があったなんて…。
美しい自然と時計の時を刻む音が心地よく、3人の心が溶け合っていく様子がとても愛おしく感じました。
私は声の響きを分析をする専門家でもあるので、出演者の皆さんの声の心地よさが作品全体を音楽のように包み込んでいると感じました。
観終わった後も、穏やかな波のようにいつまでも心に余韻が広がります。
題材になった名曲とともに多くの人に観ていただきたい映画です。

柴やすよ(女優)
一般的な幸せの理想像というものが存在し、人は幸せかどうかを測ろうとする。しかしながら、表面的に見えるものが真実とは限らない。
この作品は改めて問いかけてくれる。幸せとは、なんなのかを。
かけがえのない存在と出会い、かけがえのない時間を共に過ごし、様々な感情を体験する。
それは決して楽しい事や嬉しい事ばかりではなく、時計の針と共に儚く過ぎていくものだけれど、それ自体が尊く、心に深く刻まれる。
命も、出会いも、人生も、どこかで終わりはくるけれど、だからこそ美しく、愛おしい。
この登場人物達のように、私の心の奥に深く刻まれている「幸せな」時間や存在達が蘇り、とても愛しい気持ちになった。

良香 RYOKO(舞台表現家)
初めに鳴り響く時計の音。その音でこの作品に吸い込まれるように見入ってしまいました。物語の始まり方が私の好みです。
そして、悲しみと苦しみに包まれ、先が見えなくなるほど落ち込んでいる中、1人の女性の溢れだす笑顔が周りをどんどん幸せと導く。
笑顔の大切さをあらためて感じました。
主人公やその周りの皆の過去、現在、そして未来へにも導いていくこの古時計。
素敵な情景とともに楽しませてくださる作品です。

おおやまこうへい(舞台照明家・写真家)
小林宏治監督!上映おめでとうございます。音楽が入った瞬間に監督の「間」に引き込まれたような感覚。風や波の音、セリフや音楽。
舞台でご一緒している時に伝えられるニュアンスと似ているメッセージを感じる部分がある度にここが特に魅せたいポイントなのかなと、、、
明るい情景にその「音」や「間」でほんの少しの影をプラスしてコントラストを出して、落ち着きを与えてその後の展開をじっくり想像しながら鑑賞していました。
各シーンのブリッジに匂わせ? くらいの次のシーンへの道標が置かれていたり自然でリアルな時間に感じました。画もそうですが「音」も聞いていただきたい作品でした。
主人公の名前が序盤に判明したところから感情移入度がグッと上がったのは個人の感想です。目、耳、感情フル活用で見ていただきたい作品です。

亞紀加(ボイストレーナー)
透明感のある映像がどこかフランス映画のよう。説明が限りなく少ない、セリフもそんなに多くない中、進んでいくストーリー。
始めは霧の中にいたのが、だんだんと視界がハッキリして来たかのように、物語が少しずつクリアに見えてくる。そして グッと引き込まれていく。
そんな演出もやはり古いフランス映画を観ているような気持ちになった。一般的な映画に比べると頻度、ボリューム共に控えめなBGM。ストーリーにも劇中音楽にも過剰なところが無い。
盛り上げよう、聴かせよう、泣かせよう、といった制作側の意図をほぼ感じさせず、それでいてじんわりと伝わってくる、そんな素敵な映画なのだ。
子供の頃からこの曲を合唱の伴奏としてピアノで、或いはソロで弾き語りで、と幾度も演奏したが、今になって改めて歌ってみると…感慨深い思いになる。
大切な人達を見送った経験と厚みが出てきた人生のページがそうさせるのだろう。

楠木あさ美(開運ナビゲーター)
映画『大きな古時計』。最初は単なる甘く切ない青春を振り返るメモリー作品と思っていましたがさにあらず。
見終えたとき、予想を大きく上回る深い感動がありました。
私達に与えられた人生の時間には限りがある。だからこそ、限りあるこの時を、今を、命を燃やして生きなくては。
ヒロインが時間について語るセリフがありますが、ほとんどのコンテンツが再生可能で後から見直せる現代を生きる私達は、
もしかしたら、ヒロインのような感覚が希薄になっているのではないかと感じ、もっと今を、瞬間を大切に生きたいと思えた作品でした。

駒塚由衣(俳優・声優)
なんて優しく心に響くお話なんでしょう。最後の「♪大きなのっぽの古時計」が流れた時は、号泣してしまいました。
あの歌詞がすべての謎解き。すべての真ん中にいて、兄弟を、男女を見つめ、運命づけていた、あの時計。
人生には、目にみえない不思議と意思が、存在すること、どんな時も、繋がって意味があること、私たちも、大いなる宇宙に繋がっていることを、深く深く感じさせてくれました。
そして、時間は、戻らない。その潔さが好きだ。だから、前を向いて生きる。そこに、この映画の作り手の優しさと大きな心を感じました。
コロナ禍、戦争、前に生きる希望を見つけられない今への大きなメッセージと思います。
圧倒的な、空と海、沖縄の映像の素晴らしさ、歌の素晴らしさ忘れられない作品となりました。
一人一人の心の底に、深く響くこの映画、沢山の方に、見て欲しいです。

金 大偉(映画監督・音楽家)
美しい自然と共に、とても懐かしいムードの中で展開されながら、見えざる世界へと繋るラブストーリーである。
過去と現在がリンクされた時間の中、生きている古い時計との共生や共存の姿が見えてくる。
まさに奇跡的なシンクロニシティーであると言えよう。
映画全編にわたって、優しい日本の自然観やアニミズム的な存在感が引き立つ流れの中に、
穏やかに生と死という時間の循環が描かれた個性的な映画であると思う。ぜひ多くの人に観て頂きたい。

西村麻聡(ミュージシャン)
まだ幼少だった頃、祖父の家に遊びに行くと古時計がドーンと居間にありました。でもそれは特別な事では無く当たり前に存在していました。僕の記憶に深く刻まれたのはその「音」です。
時間毎に鳴るあの“ボーンボーン”という金属と木のミックスされた、奥深く響くトーン。実はそのボーンと鳴る直前にその仕掛けになっている機械音があるんです。一瞬だけ歯車が噛み合う時に鳴る金属音。
僕はその一瞬の音を聴きたくて古時計の前に時間毎に座って待っていた記憶があります。もちろん、祖父がネジを巻く時のあの擬音も大好きでした。
レトロという言葉が溢れ出して来た昨今。私達は時代の進化、テクノロジーの発展とは別に、心に安らぎを与えてくれるのは何かを切に求め始めています。大袈裟に言えばそれは「命の継承」に欠かせない事かも知れません。
『大きな古時計』、この映画はそんな事をシンプルに伝えてくれる素晴らしい作品だと思います。
僕の記憶にこの映画のあらゆる「音」が深く刻まれました。

Mitsuki(YellowM∞N:アイドルグループリーダー)
時計がなんでも知っているという歌詞の意味や嬉しいことも悲しいこともという歌詞の意味に気づき、
おじいさんと時計がひとつであるように感じました。
私は運命や奇跡はあるんじゃないかと思っています。
この映画で時間が鍵になる運命もあるんだと感じ素敵だなと思いました。
今を一緒に過ごし、これからも共にする家族や友達、そしてものを大事にしたいと改めて感じました。

久米マリリン(筆跡診断士)
冒頭数分で美しい世界に引き込まれてしまった。まるでヨーロッパ映画を観ているかのようだ。ここはどこだろう? イタリアの片田舎だろうか? いや、沖縄だ。何と美しい映像。
耳に入ってくる全ての音も心地好い。私が子供の頃、裏に住んでいた老婦人の家には、映画と同じタイプの大きな時計があった。
ネジを巻きたくて、ねだったものだ。時を告げる音を聞きたくて時計の前で座って待つのも好きだった。
主人公達も子供の頃には同じような事をしたのだろうか。きっと、したに違いない。顔がほころぶ。
この映画は私の好きな物で溢れている。懐かしい記憶、思いやりの向かう先、同じ顔を見せない自然と戻らない時間。そして時計。映画の邪魔をしない音楽も素晴らしい。
小林宏治監督は魔法の粉でも持っているのだろうかと考えた。優しさと、暖かい懐かしさに思いを馳せる魔法の粉を。

佐々波雅子(舞台美術家)
人生全てがうまくいかず、ままならない事や悩みがあります。後になるとあの時が無かったら今の自分が無いと失敗だったことが好転していることってよくありますよね。
落ち込むことも失敗することもまるで仕組まれていたように何かの糧になっています。
伝わらない思いはとても綺麗な物語として宝物のように心に刻まれます。起きてきたことをすべて受け入れるのは実に難しいことです。
自分の人生は時計が知っていると受け入れる純粋な気持ち、この映画のピュアな目線、それは小林宏治監督そのものです。
『大きな古時計』は沖縄の風景に私たちが忘れかけている気持ちを思起こしてくれる、そんな映画です。
親から子へそして孫へ伝えたい。より多くの人へ小林宏治監督の思いが伝わることを心から祈ります。

渡辺のり子(文章添削士)
子どもの頃よく口ずさんでいた大好きな曲、とても懐かしいです。人は生きている限り、常に“死”に向かって時間が流れていきます。
この楽曲に、その無常の世界感があることに気づきました。コロナ禍になって人々の意識が変わりました。人と人との体温の感じられるつながりを遠ざけ、マスクは人から自信を失わせていきます。
その反動なのでしょうか、自分の正しさを主張する人々が増えたように感じます。愛に溢れた優しい人たちの記憶をとどめておくかのごとく、時の刻みを止めてしまった古時計。
この映画は、苦悩や葛藤をしながらも“正しさ”を押し付けあうことのない惟神の生き方を見せてくれました。
心に染み込んでくる音楽と、憂いが解けていくような美しい景色。
何かに迷った時、またこの景色に戻ってきたいな…と思えるような映画をありがとうございました。(一般社団法人 文章添削士協会所属)

富川勝智(クラシックギタリスト)
音色のある歌声が好きだ。この映画の終盤で久保田洋司さんが歌う「大きな古時計」がかかる。歌声に耳を奪われる。それでいながら、その歌詞の内容がストンと入ってくるから不思議。
久保田洋司さんの歌は日本語の歌詞がはっきりと聴きとれるのが凄い(最近のポップスシンガーは日本語の歌い方が下手ですからねー)。
だからこそ彼の歌を聴いたときに映画の中での出来事が走馬灯のように思い出される仕掛けになっている。
久保田洋司さんの声音には、清々しさや甘さ、そして同時に切なさと強さもある。
The 東南西北でデビューした頃は前者の印象が強かった。今は後者の「大人」の信念や諦めといったものも含まれていて、ますます声音に磨きがかかっているのだ。
若さと老い、後悔と諦め…この映画にぴったりの歌声。この歌を聴くためだけにこの映画を観ても損はない。

macha(チベット体操講師)
そうだった。この世界はこんな風に奇跡に満ち溢れ、いつだって素晴らしいのだ。
「奇跡のような出会い、信じられないようなシンクロニシティ、いつもベストなタイミングで起こる出来事。道を違えば教えてくれる、思った通りに展開していく…なんて素敵な世界なのだろう。(自著)」
――かつて旅に夢中だった頃、世界はこのように映っていたものだが、ここ数年の世界規模の禍々しさと、日々の慌しさの中、忘れかけていたようだ。
16年の時を経て鮮やかに蘇ったこの作品とも、絶妙なタイミングで出逢わせて頂いた。世代を超えた人間味溢れる物語を通じ、時代や場所は変われどもきっと不変であろう「大切なこと」を思い出させてくれた。
癒されるような日本の美しい海も、劇中の心に響く名歌の数々も、見事に溶け合って、この作品を強く印象付けてくれる。
この素晴らしき世界が生み出した不朽の名作が、この先も多くの人々の希望の一片となりますように。

宇戸トシヒデ(ミュージシャン)
先ず目に飛び込んでくる色彩のコントラスト・風景や場面の立体感についつい惹き込まれてしまう。
そして世界的に有名なこの曲にどういうストーリー展開が…と思ってるうちにいつの間にか自分もその中に… ‘ひょっとしてありがちな’ という言葉に何度も裏切られながら、、、
一人一人がそれぞれ自分の軸をしっかり持って生きていて、それ故か登場人物が皆んな時間軸を超えて ‘すぅーっ’ と自然に繋がっている普遍的な感覚の心地良さ。
そこに差し込む光の温かさ。
この「古時計」にはもう一度会いたいと引き寄せられる何かがある…この気持ちを一人でも多くの方々と共有出来たら嬉しいです!

常磐津齋櫻(三味線演奏者)
名曲「大きな古時計」に隠された物語を、味わえる作品です。じっくりと時間を作って鑑賞したい作品です。
物語の舞台になっている美しい自然の景色が、目にも美しい。あっという間に、画面にくぎ付けになってしまいました。
その景色に見入っているうちに、「大きな古時計」の物語の世界に、すっぽりと包みこまれていくような感覚を味わいます。
物語の展開につれて、自然と想い起こしたものがあります。それは、大切な人との懐かしい日々の記憶です。
この作品は、ぜひとも大切な人と共に鑑賞をしたい。未来への希望も持てる作品です。
美しい名曲に隠された物語を、ぜひあなたにもご覧いただきたいと存じます。

小峰倫明(画家)
明日も同じ朝がくると いつものように眠りにつく。しかし それはわからない。
人は、今の瞬間しか体験できず、今という時間は 運命とも縁とも言える偶然の連続と供にある。
この映画は、その時間というものと事象のつながりを大きな古時計を通して意識させてくれる。
音楽と映画は、芸術の中において最も時間と密接な表現だ。
サウンドトラックは、映像と連動して、より深く感覚に浸透する。
よく知られたこの曲が、久保田洋司の歌声で流れてくると、その真っ直ぐな清々しい声が、詩の意味を深め心に響く。
そして、古時計を通して 不確実な今を貫く普遍の存在を信じさせてくれる。

阿部ユウキ(ファッションディレクター)
コロナ禍で自身にとっての時間の価値観が変わったなかで自分や一番身近なと家族と向き合う時間も増えた。漠然と「人生、これでいいのだろうか・・・」そんな想いを抱いていた。
過去を振り返ることで、新しい未来への新しい道が開けてきて、その道を進むことでネガティブに感じた過去も変わると信じていました。そんな時に小林宏治監督の作品をご紹介頂き、観賞させてもらいました。
人生で何度見たか?と片手で数える程度の振り子時計、今は目にすることも耳にすることも少なくなった心地良い時計の針の音。綺麗な沖縄の海と映像と共に見入ってしまい、自分の未来へのポジティブなメッセージをもらった気がしています。日々の幸せを見出そうと悩みつつ、きっと誰しもが日常で満足できない、何かを抱えているだろう。
それでいいんだよ。と僕は作品を通じて言葉をかけてもらったような気がした。こういった作品と出会えた事で、また新しい1日が始まる気がしています。
「楽しい」の一言で終わらない、歴史や作り手の想いを垣間見ることができました。是非、劇場で何度も観たいと思える作品です。

瀬木貴将(サンポーニャ・ケーナ奏者)
子供の頃から誰もが知り歌っていた名曲をカバーするにはプロの歌手として力量が問われます。
主題歌を歌う久保田洋司さんの歌声は、溢れる心が冒頭のア・カペラ部分から伝わり感動的です。
ロックバンド「The東南西北」のボーカリスト、そして作詞家として
数多くの作品を多方面のアーティストに提供して来たプロ中のプロの彼の音楽性と表現力が
この「大きな古時計」に欠かせない存在になったと思います。
歌詞の大切さ、一言一言の言葉の重みを感じながら歌う久保田洋司さんのボーカルに是非注目して欲しいです。

クマザキ優(イラストレーター)
爽やかな景色、優しく響く音、美しい古時計、役者さんの純粋で繊細な表情・・・始まってすぐに惹き込まれました。
戻ることのない時間は、時に残酷です。しかし、そんな限られたレールの中にも"希望の光"が降り注ぐことがあります。
この作品は、「希望の光」を逃さず掴むことのできる"勇気"や、新たな道を示すこともある"愛"の大切さを私に教えてくれました。
現代社会で生きる皆さんの足をふと止めて、ご自身の心とじっくり向き合うきっかけを与えてくれることでしょう。
もし、映画を見て『大きな古時計』に興味を持たれた方は、作曲家Work Henry Clay氏の生涯を描いた絵本『大きな古時計』も併せてお楽しみ頂ければ幸いです。
それでは、プロジェクトの成功を祈って。

まつながまき(モデル・パフォーマー)
古時計がまだ“時計”だった頃の物語・・・時が流れても変わらない沖縄の美しい海と空の碧、そして、時計に見守られた人々の、誰かを想う心の清らかな美しさに惹かれました。
時を刻みながら、そして刻むことを止めた後も、それぞれの“今”を生きる人々を見守るあの時計のような、穏やかで温かい小林宏治監督の紡き出す物語を、余韻とともに心の内にそっと大切にしまっておきたくなる・・・
けれども、思い通りにならなかった“時”を経験したことのある、たくさんの方々に味わっていただきたい作品です。
静かなドラマに時折覗く、想いを秘めた眼差しの美しさ、情景に寄り添うように彩る音楽も心に響きます。
16年の歳月を経て劇場公開されるこの作品そのものが、“時”を纏い、観る方の心に永く刻まれていくのでしょう。

白石雪妃(書家)
とにかく美しかったです。ひとつひとつの視点と、間と、景色と、そしてストーリーにみるみる惹き込まれていきました。
誰もが知っている音楽も印象的で素敵でした。
時間は戻らないということを「潔さ」と表現するところがまたたまらない。
私も生きている長さが増えてきて、だんだん好きになってきたところだったので、この言葉が心に響きました。
鑑賞後も暫く余韻に浸っておりました。是非ご覧くださいませ。

咲良(俳優)
幼い頃から何度も何度も歌ってきたはずのこの曲。
大人になった今、しかもこの作品のラストにフルコーラスで"大きな古時計"を聞いたときに、歌詞の意味がすごい早さで色濃く繋がっていき鳥肌が立ちました。
ずっと同じ場所にあるものって、色んな人、物、場面を見届けているんだよなぁ。
と改めて考えさせられ、日々当たり前のように囲まれているものに対して愛着が湧きました。
物語のラストにどんどんお話が繋がっていくので、一瞬たりとも見逃せない、奇跡のストーリーです。

古川寛泰(オペラ演出家)
すべてには必ず始まりがあり、終わりがある。一つ一つの行動には誰かの意図が必ず存在するのだ。
"時計"というシンボルを題材とし、時に身を任せること、抵抗すること、各キャラクターの個性が活かされた傑作である。
我々に馴染み深い童謡の〈大きな古時計〉、その歌詞を読むと主語を明確にしていないことが分かる。
歌うのは子供、孫、もしかしたら知人かも知れない。
おじいさんの関係した家族や友人達が、"古時計"を通して、過去を振り返る喜びこそ、物が溢れた昨今に必要なことなのかも知れない。

平 富恵(スペイン舞踊家)
「古時計」の存在感。映画を観ているうちに「古時計」が象徴するものは、ずばり『人生の時』ということだと気づかされます。
時を受け入れ、運命に逆らわずに生きた人々の物語。人生には、成功、失敗、愛、友情、思いやり、妬み、後悔など様々なことや感情が待ち受けています。どのようなことも、捉え方は一つではありません。
現代では、『時』さえもどうにかできるかのような錯覚を抱いてしまいがちです。私は、この映画で、時の流れを真っ直ぐに受け入れる謙虚さも良いものだなと感じました。
自分の周りに流れる時間の経過を大切にしたい。誰にも等しく与えられた『時』。これをどう生きるかが、人生の醍醐味であり、面白さなのでしょう。
その瞬間は、決してドラマチックではないことでも、時間の経過とともに、人生に彩を加えるポイントになったりする…。そんなことを感じさせてくれる映画です。
兄と弟。親と子。祖父母と孫。とりわけ、2人の女優のキャスティングに、自然な『時』の流れを見出すことができました。美しい海の風景に癒されました。

赤松由美(舞台俳優)
兄弟が海辺を走っているシーンで、撮っているクルーも監督も海辺を走っているような気がしました。
いつの間にか私も沖縄の海辺を砂と波を跳ね上げながら一緒に走っていました!
古時計も空を飛んでついてきているよう! ずっと見つめ続けること。何も言わずにただそばにいること。
傷ついても顔を上げて前に進んでいく人を、その背中を見つめ続ける。
その人の決意を尊重する、間違っていたとしても見つめ続ける。覚悟を持った、暖かい目線。
小林宏治監督のまなざしがそのまま反映されたような、青春映画です。

永田 健(フラメンコダンサー)
映像と音楽が重なって迫ってきた時、その映画とシーンはずっと脳裏に残る。
劇中曲とシンクロするように見せるヒロインのわずかな表情の変化に心を奪われた。
たったまばたき一つの動きなのに。
同じ表現家としては嫉妬以外の何ものでもない。
強気に生きる主人公がたった一回もらした本音「できることならこのまま時間が止まってほしい」。誰の人生にもそんな瞬間がある。
時は刻み続けるからこそその一瞬を大切にしたいなと、余韻にひたりながら思う。

徳 将城(琵琶士)
家族や恋人とは異なる愛の形がある。古時計が時空を越えて伝える純粋なラブストーリー。
「大きな古時計」の歌と同じく、古時計と共に人生を歩んだ主人公。
振り子時計の動きには、人生を追憶させる情緒がある。
デジタルとバーチャルが世界を築き絶えず変化し続ける現代に、この映画は過去の淡い思いを時計の音に乗せて、切々と語りかける。
また、田舎と都会、貧困と裕福、兄と弟、男と女、相反の対象になりやすいサブテーマもこの作品には流れている。
人は儚く時代は進む、だからこそ美しい物語を残したい。映画を見終わって、そんなメッセージが込められていると感じた。

本木克英(映画監督)
人が人を想うこと。
それはすぐに実を結ばなくとも、歳月を経て思わぬ未来につながっていく。
そんな奇跡のような運命を信じたくなる映画でした。
「大きな古時計」の逸話を、美しく明滅する沖縄を舞台にファンタジックに描き、人生の労苦を表情に刻んだ北村三郎さんの重厚な存在感も印象的でした。
この映画を作った方々の祈りにも似た良心が、ひとりでも多くの皆さんに届くことを私も願っております。

桑原昌英(映画監督)
圧倒的に美しい沖縄の海、空、⾃然!⾮⽇常な景⾊の中で⼤きな古時計に⾒守られながら繰り広げられるピュアな恋の物語に、思わず⼼がほっこり。僕にとっての古時計はいづこ?
『時は戻らない。私はその潔よさが好き。私はそうやって⽣きていく。』ヒロインの⾔葉が脳裏に蘇る。
そうだ!時は戻らないのだ。肝に銘じて⽣きていこう!
チクタク、チクタク、古時計の⾳が⽿に残る。
⽌まってしまった後でも我々⼀⼈⼀⼈と共に古時計はそれぞれの物語を紡ぎ続けるのだ。各々の胸に聞こえる時を刻みながら。
まだあどけなさの残る松本まりかをはじめ、松⽥悟志、藤沢⼤悟たち若い俳優陣の初々しい演技も微笑ましい。

加藤雅也(俳優)
テクノロジーの発達とともに、デジタル時計が登場し時計が遅れる事がなくなった。それは単純に良い事ばかりなのか?
この映画は、時計が遅れていた為に人生が大きく変わってしまった兄と、時計が遅れてしまう原因を作ってしまった弟の物語。
過ぎ去った時を取り戻す事はできない。だが、一人の少女の出現によって、時が再び動き出す。
そして、当時はわからなかった、お互いを思う愛が見えてくる。
コロナ禍によって失われた時間と言われているが、本当に失われた時間なのか?
考え方次第では失われた時間が良いものにもなり得るのだと教えてくれる映画だ。

吉田 玲(女優)
小さい頃から知っている歌だからこそ、私もこのホテルで育ったかのように思えました。
物にも心があり、一緒に暮らすとは、自分自身がその物の事を1番わかっている。そして、物も私のことを1番わかっている。
今、1つでも物を大切にできているだろうか。波の音、時計の音、歌声、全てが心地よくて、違和感なく私の心に届くものがありました。
小林宏治監督の温かさがそのまま映像に出たような素敵な作品です。

優恵(俳優・モデル)
子供の頃に数え切れないほど唄い慣れ親しんだ「大きな古時計」という楽曲は、美しい愛の物語に添って書かれたものだということを初めて知りました。
この懐かしい歌に新たな意味と存在感を残すこととなった映画 『大きな古時計 劇場版』 に出会えたことは、わたしにとってとても幸せなことでした。
3人の若者の愛と苦悩は、いつの時代にもどこの国にもきっと変わらずにそこに在るもので、この歌を習う幼い人たちにも、愛を探す若い年代にも、そして人生を振り返る世代にも、心に染みる物語となるのではないでしょうか。
撮影当時の若き俳優陣の初々しさも、この作品の魅力となっています。150年近くも語り唄い継がれる愛の物語をたくさんの方々にご覧頂けますように。

藤村哲哉(フィロソフィア㈱社長・デジタルハリウッド大学特任教授)
英国に実在する大きな古時計と、その最初のオーナーだった兄弟の時計にまつわる人生の話を聞いたことがきっかけで、1876年に米国の作曲家ヘンリー・クレイ・ワークによりつくられた名曲「大きな古時計」。
その実話に基づく歌詞に秘められた素晴らしいストーリーを現代に蘇らせたこの映画は、人間の人生の美しさ、はかなさ、そして重みを教えてくれます。
私は奇跡のような他人の人生を知り、人生の意味を学ぶことが好きです。
16年もかけて劇場版を完成させた、プロデューサー・監督・俳優・音楽チーム・スタッフのみなさんの人生にも思いを寄せながら、ひとりでも多くの皆さまにこの映画をご覧いただくことを願っています。

細田善彦(俳優)
16年の時を経て劇場版、おめでとうございます。
日本でも馴染みのある歌だと思いますが、その歌詞の中にある“なんでも知ってる古時計“にしっかりと役を背負わせたことが、古時計が一緒に天に昇ることに説得力を持たせている。
小林宏治監督の温厚な人柄が表れた演出、先輩俳優たちの初々しい姿、そして、沖縄の景色。
一つ、一つ、身の回りの物を大切にしようと思える、そんな作品です。

渥美饒児(じょうじ)(小説家)
現在、私は4本の腕時計を保有しています。すべて〈アナログ式〉で〈手巻き〉ばかり。
どうしても〈デジタル〉や〈ソーラー〉のように、半永久的に動き続ける時計に愛着が湧かないのです。
そのため外出時には、毎回、ネジを巻いて時間合わせをしなければなりません。
同様にこの映画の〈古時計〉は、常に人間たちを見守る象徴的な存在として登場します。
人間関係が殺伐とした現代に、沖縄のエメラルドグリーンの海と、若者たちの群像劇が描かれた秀作だと感心しました。

家田荘子(作家)
なんてきれいな海の景色と波の音。そして澄んだ空……。美しい景色に心が染まった所から純愛物語が始まります。
科学が発達し、すぐに確かな答えを手にしたがる今の時代ですが、この三人は違います。みんなで一緒に幸せになれないのならと、愛するがゆえに、苦しみもかぎながらも身を引いてしまうのです。
その経緯を知っているのは古時計だけ……。肉体関係で結ばれていない愛は、肉体関係のある愛より、もっと純粋で強いのでしょうか。
「純粋な永遠の愛」と、美しい海に魅せられた私は、最後に涙が止まらなくなりました。
愛する人と会えなくても、言葉さえ交わせなくても、愛する人と心を通じ合わせ続けることはできるのです。
「時は戻らない。その潔さが好き」
松本まりかさんの凛とした笑顔は、コロナ禍で傷ついた私たちに、人を本気で愛する純粋な心と、前を向くための勇気を与えてくれることでしょう。

サヘル・ローズ(タレント・俳優)
誰もが、一度は聴いたことのある名曲 私も過去を懐かしむ時に いまだに無意識に口ずさんでいます。
この曲を聴くたびに 瞼の裏側に広がるセピア色の記憶 この映画を見ていて 私の中にもある、小さな古時計を見つけた。
時計は人生そのもの どんどんと進んでく 巻き戻したい過去があっても 巻き戻せないのが人間の時の流れ ただそこにいるようで
大きな古時計は、全て知っていて 大きな古時計は、全ては見ている チクタクチクタク 紡がれていく 古時計のコトバはなんだったんだろうか?
もしかしたら今の時代に 私たちが忘れてしまった事を 教えてくれているのかもしれない。
デジタル時計にはない 記憶の保管所 それが 大きな古時計 チクタクチクタク「アナタの人生で一番大切なものはなんですか?」

重田千穂子(俳優・コメディエンヌ)
沖縄の美しい自然に温かく流れる音楽が心地よく、ノスタルジックで優しい気持ちになれる作品でした。
不器用にしか生きられない若者達が、それぞれの想いを胸に人生を受け入れて一生懸命に生きた姿が愛おしかった。
二度と帰らないあの美しく熱き想い出を胸に。
大きな古時計にずっと見守られながら。。

大島葉子(俳優)
回想シーンの時代と現代との差が分かりづらいというのはあるが、
美しい自然の映像と音楽が相まって、
なんだかノスタルジックな懐かしい感じがした。
昔のアルバムを見たような、ちょっと切ない気持ちになった。

根岸季衣(俳優)
きっと今も16年前と変わっていないだろう沖縄の大自然の空、海、の赤、青、緑。
もう二度と戻れない、16年前のその時間をのみ生きていた人間模様を大きな懐で包み込んでいるよう。
今、時が熟成されて、音楽も寄り添って、観ているこちらも優しくなれます。
想いを刻む、遺す…映画って古くならない、なんて素敵な芸術なんでしょう!

中原丈雄(俳優)
1本の大きな古時計を中心に絡む人間達の模様。
演者達の初々しい芝居に照れるが、名も知れず咲く小さな草花の様な懐かしい香りのする作品だ。


山川直人(映画監督・東京工芸大学教授)
『大きな古時計』はまるで人生のように神業による人間関係のあやが織りなす物語である。
信じられないような数奇な運命の話、事実は小説よりも奇など、人と人との出逢いや偶然のような必然、 絶妙のタイミングなど、
そういうストーリーは数々あれど、最近の人と人とが触れ合いにくい世の中において、 あらためてそんな神業のような人間技の大切さ、貴重さを再認識させてくれます。
この世に生まれて来て良かったと、そんな思いをむくむくと盛り上げてくれる、そんな映画です!

谷川景一郎(映画評論家)
音楽から生まれ、音楽で結ばれた映画「大きな古時計」(GRANDFATHER’S CLOCK)は、ヘンリー・クレイ・ワークが一晩で書き上げた、誰もが知る名曲。
『大きな古時計 劇場版』はこの楽曲を元に、ネット配信作品として2006年に生れました。
映像のネット配信。今でこそ当たり前のサービスですが、Netflixのストリーミング配信が2007年開始であることを考えると、非常に斬新な挑戦だったんですね!
メインキャストは松田悟志、松本まりか、藤沢大悟、藤村知可。
当時20代前半の初々しい姿も今や貴重な(?)記録ですが、2020年に世を去った北村三郎も忘れられません。
この作品が16年を経て、更にパワーアップしました!
映像のブラッシュアップのみならず、新たに数々の音楽が加わったのです。
その音楽を結び付けたのは、監督やプロデューサーらの人と人との縁(えにし)。
コロナ禍を乗り越え、新たに7人のミュージシャンたちが集いました。
ジョンテ&エリアンナ、観月.、川島ケイジ、久保田洋司、川畑要、谷口尚久。
出会いが出会いを呼び、全て初収録となる楽曲が揃ったのです。
映画と合わせて、オリジナル・サウンドトラックもご注目を。
音楽から生まれ、音楽によって結ばれた映画『大きな古時計 劇場版』、ぜひご鑑賞ください。