Maid in AKIBA アキバ NEWS TRAILER STORY DIRECTOR CAST CRESIT


監督:小沼雄一/YUICHI ONUMA

私が秋葉原に足繁く通ったのはメイド喫茶が誕生する遙か以前のこと、1980年代の頃でした。当時は秋葉原が電気パーツ街からパソコン街へと変貌を遂げようとしている最中で、私は現在の1万分の1しかない容量のハードディスクを「フロッピーディスクを交換しなくて済む!」と感激しながら大枚はたいて購入したりしていました。
パソコン熱が冷めてからは秋葉原に通うこともなくなり、結婚し、子供もできて秋葉原とはしばらく縁がありませんでした。今回、映画を作るために久しぶりに訪れた彼の地は、サブカルの聖地として変貌を遂げ、駅前もずいぶん様変わりしていましたが、ガード下のラジオセンターや狭い路地裏の住宅などは以前の面影を残し、懐かしくも感じました。
この街は、ある一時期に現れては消える私のような外部の人間と、何世代も前から住み続ける人たちが交錯しながら変遷を繰り返し、今なお変化と安定の狭間を揺らいでいます。この深く、重く、ゆったりと流れるコールタールのような土地で生まれ育った者達(しかもその者達は成熟した都市に反して未熟である)……それがこの映画の発想の原点です。
撮影をしながら私は、“AKIBA”という虚構に満ちた場にありながらも、そこを行き交う人たちは地に足のついた普通の人たちだということを忘れないように心がけていました。日没直後の万世橋にミナノとカナコが立ち止まった時……それは二人にとって大切な、しかもごくありふれた日常の瞬間です。またそれは、二人の歴史と都市の歴史が交錯した瞬間でもあるのです。

作品歴
1995年 自主映画『チャンス・コール』監督
2003年 映画『自殺マニュアル2 −中級編−』監督
2004年 映画『キル・鬼ごっこ』監督、映画『最後の晩餐』プロデュース
2005年 DVD『仲根かすみ 夏の思い出』構成・演出、ネットシネマ『ニューハーフ・ダンク』監督・脚本
2006年 ネットシネマ『ロザリオの雫』監督・脚本、映画『夏の思い出』監督・脚本
DVD『滝沢乃南 MAIDE in AKIBA』構成・演出
イメージMovie『人型ロボット / 山本彩乃 in 沖縄』監督・脚本
イメージMovie『ラブレター / 堀有里 in 沖縄』監督・脚本、映画『AKIBA』監督・脚本
公式サイト:http://ospage.jp/
©2006 映画「AKIBA」製作委員会